漆ー里山ワークショップ体験

 

 

 

 

 

 

まだ梅雨も明けぬ関東ですが、その合間を縫って
この週末、茨城県の最北の町、常陸大子に
行ってまいりました!

 

ここは、知る人ぞ知る漆の産地なんです。

 

国産漆の生産量の第一位は、岩手県。
浄法寺が有名ですが、なんとこの大子町は
第二位。

 

私は、大子という地名も聞いたことがありません
でしたし、茨城と漆が結びつくという発想も
全くありませんでした。

 

実は、2016年は私にとっては「漆元年」とも
いうべき年になりそうで、この春から産地の
取材を少しずつ始めています。

 

そしてこのタイミングで、駒込小松庵さんの
ギャラリーでの企画展のお話が。

 

それならばと、陶器、磁器の作家の方に加え
ぜひ、漆もと思い立っていた矢先、ご縁を戴いた
のがこの大子漆を使ってこの地で作品作りを
されている辻徹さんでした。

 

そこにたまたま大子町が一泊2日の漆セミナーを
するというじゃありませんか。

 

しかもその内容というのが、座学に加え、
「擦漆体験」「漆掻き見学」「漆畑の管理作業」
そして辻徹さんのギャラリー見学も行程に入っている
という魅惑に満ち満ちたもの。

 

これは、もう行くしかない!!と
即決。重装備で参加してまいりました。

 

なんといっても漆は用心しないとかぶれますから
普通の旅支度に加えて、長袖、長ズボン、軍手は
重要アイテム。

 

といっても、私は、奈良で生活していた頃、
仏像修復の工房でのアルバイトで、
それはそれは大きな光背全面に漆塗り作業
なぞしても全く平気でしたから、
その点は安心していましたけれど。

 

人によっては、漆の木の下に立っただけで
かぶれる人もいますし、体調によっては
リスクがありますから油断は禁物。

 

そんなわけで、常磐線、水群線を乗り継いで
はるばるやってきた常陸大子は、里山の広がる
それはそれは素晴らしい景観の町でした。

 

車で走っていてもへんな看板が一つもないのです。

 

町中を流れる川のほとりも、ありがちな
護岸工事のあとはなく、青々とした
草原地帯が広がっています。

 

農家の軒先には季節の花が咲き乱れ、
山や森の木々の緑は美しく、渡る風が

気持ちいい。

 

朝の散歩や森に入った時の、シンとした
清々しい空気に心身ともに、癒され、
浄化されたような気持ちになりました。

 

 

 

 

 

 

カリキュラムに入っていた東京農大の
宮林成幸先生の講義は何時間でも聴いて
いたいくらいの示唆に富むもので、

 

「百姓」というのは、「百の姓(カバネ)」すなわち
百の知恵を持っている

 

というくだりになると、生活力が宿るのは
里山に暮らしてこそと私なぞは感心するばかり。

 

里山文化の崩壊は日本人としての
こうした生活の知恵を捨て去り、暮らしに根差した
文化の崩壊にも繋っているという危機感を持ちましたね〜。

 

そして即ちそれは、漆文化の衰退にも
大いに関係あることであり、漆器業界の
危機は、環境問題にも深いところで
繋がってくるわけで、色々と考えさせられました。

 

そんな座学もありつつ・・・

 

数々の実習は、実際に手や身体を動かして

体験することの楽しさを久しぶりに味わい、
2回目の訪問となった辻徹さんのギャラリーでは、
作品に再び出会えた嬉しさに気分が高揚しました。

 

このギャラリーの名前は「器而庵」。

 

大子町の商店街の中ほどにある、明治29年に
建てられた元は呉服商の見世でした。

 

そこに辻さんがこれまで集めてこられた
骨董や古い家具に、器而庵ブランドの
漆器や辻さんの作品が並べられています。

 

この空間に立ってみると、辻さんが漆器に
込められている思いが伝わってくる・・。

 

日々の暮らしに一つのお椀から。

 

辻さんのご活動は、また追々、ご紹介して
まいりますので、お楽しみになさっていて
くださいね!

 

こうして2日間、漆にかぶれることもなく
温泉に浸かり、よく食べ、よくしゃべり、

よく手を動かし、思い切り良い空気も吸って

大充実の週末となりました。

 

私にとっては、茨城ディスカバーの旅。


また訪ねたいと思います。


 


漆掻きをしているところ





器而庵

 





 

 

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うーむ
tokuさんのドッキドキが聞こえるようなレポート
素晴らしい!私も行ってみたいようなところです。

漆はいいですよね。
それに、奈良では仏像の修復のアルバイトをしていらっしゃったとは〜〜今魅せられているのはまさしくそのことですよーー

tokuさんの行く手にさちあれ。応援しております。
| junmama | 2016/08/29 8:55 PM |









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