「静」と「動」
週末、久しぶりにお能を観てまいり
ました。
場所は観世能楽堂。
演目は「采女」。





この「采女」と聞いた途端、もしやと
ネットで事前に調べてみるとやはり!
我が懐かしの奈良・猿沢池を舞台にした
「采女伝説」が元になっていました。
奈良時代、帝に仕えていた美しい采女が
いましたが帝の寵愛が途切れてしまった
ことに悲嘆して猿沢池に身を投げた
というもの。

そういえば、奈良に住んでいた頃、
中秋の名月に「采女祭り」が催されて
いるのを観たことがあります。
「ミス采女」なる女性がこれも稚児や
十二単を纏った人々と龍と鳳凰の形を
した2艘の舟に乗って猿沢池を廻ると
いうもので、奈良では結構大々的な
お祭りですがあまりに「作り物」過ぎて
しまって私は少々興ざめの感がぬぐえ
ず・・・。

それより、2時間という時間の中で
演じられる能の舞台の方が私を当時の
池の畔へと誘うのです。

幽霊となって現れた「采女」の薄羽の
衣装は此の世とあの世のあわい・・・
なんとも美しく、その面には恨み辛みの
表情は微塵も無く、ただただ可憐で
清らかな天女の姿があるばかり。

いっそのこと、「采女祭り」は置いて
おいて、お能を観る日にした方が良いと
思うのですけど。
そう、薪能で。
そうしたら、東京から、私、出かけて
いっちゃいますが。

奈良は私の知る限り、闇が美しい稀有な
都市だと思っています。
奈良に引越しをしたその足で赴いた春日
大社の万燈籠の闇の深さは今でも忘れ
られません。

そう、中秋の名月は奈良で薪能。

ということで、今日はあらぬ方向に話が
いってしまいましたね。

さて、この週末、浅草では三社祭りが
行われ、相方は今年、担ぎ初め。
3日間通い詰め、至極満足なご様子。

この頃は、週末一緒にいようという
よりお互い好きなことに没頭するという
スタイルが段々増えてきていますね。
これも年期の成せる技!?(笑)

「静」と「動」。

どちらが「静」でどちらが「動」か
なかなか深いところにいきそうなので
今日はこの辺りで。

さて、週末お互いリフレッシュした
ところで今週も元気にまいりましょう!








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